MIDI打ち込みのスピードアップ！選択したノートの値を一括して揃える

例えば上図のようなMIDIデータで、ベロシティ（「値」の数値）をすべて100にしたい！とか、長さをすべて4分音符に揃えたい！という場合。
日々の打ち込み作業で頻繁に発生する作業ですし、あまり手間をかけたくない、ですよね。
Logic Proでは、状況や好みに応じて任意の方法で実現することができ、打ち込みのスピードアップには効果的だと思います。

例１：トランスフォームウインドウを使う

おそらくこちらの方法が一般的？MIDIデータを様々に加工するためのウインドウ「トランスフォームウインドウ」。
ベロシティの変更であれば、トランスフォームウインドウには、プリセットで「固定ベロシティ」があるので、ベロシティ値として「100」を指定して「実行のみ」または「選択して実行」を実行することでベロシティが揃えられます。

長さの変更も、同様にプリセットに「固定ノート長」があるので、それで指定することができます。

ちなみに、トランスフォームウインドウなら、値の固定以外にも様々な操作ができるので、最初はプリセットをいろいろ試してもおもしろいかもしれません。

例２：イベントウインドウとキーコマンドを使う

イベントウインドウでのみ有効というのがちょっと残念ですが、キーコマンド「後続のすべてのイベントに値をコピー」コマンドを使用します。
このコマンドを使用することで、後続のすべてのイベントの値が揃えられる（コピーされる）ことになります。

ちなみに、「後続のすべてのイベント」と書いてありますが、複数のイベントを選択している状態では、その選択しているイベントのみが対象となります。
選択しているノートが1つだけの場合、後続のすべてのイベントが対象となります。
（イベントを選択していない場合は、何も起こりません。）
また、揃えられる対象となる項目は、直前に編集していたものになります。ですので、直前にベロシティを変更していたらベロシティが、長さを変更していたら長さが、揃えられます。

例えばベロシティを揃える場合は、まず選択しているノートの最初のノートに対し、値欄をダブルクリックして、揃えたいベロシティ値を指定します。

・・・ただ、今回のケースの場合、先頭のノートのベロシティ値は100にはならず、「79」になります。

その理由は、次のとおりです。
複数のノートを選択した状態で１つのノートの値を変更した場合、その変更は変更前から変更後の値に対して相対的に変更されます。つまり、今回の場合は、変更前の値が「74」で変更後の値「100」ですから、選択しているすべてのノートのベロシティは+26される、ということになります。
ただその場合、+26してしまうと、ベロシティ最大値の127を超えるノートがでてきてしまいます。
例えば、上から4番めの「G3 122」のノートです。
こういった場合は、最大値を超えないよう、自動的に相対的な変更値が調整されます。
今回の場合は、選択しているノートの中でベロシティが最大なのは先述の「G3 122」ですので、相対的に追加できる値は最大で+5、ということになり、結果として選択しているすべてのノートのベロシティは+5され、先頭のノートは74+5=79になります。

気を取り直して。
ひとまずベロシティは変更したので、これで「後続のすべてのイベントに値をコピー」コマンドのコピー元となる値は「ベロシティ」だということをLogic Proに指示したことになりますので、このコマンドを実行すると、先頭のノートのベロシティ値である「79」に統一されます。